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「ギルバルドエンディング」の出し方

注:このページの内容はゲームに対して「ネタバレ」に該当するものを含みます。最初に自分なりに十分楽しんだ後でお読みになることをお薦めします。

「タクティクス オウガ」のエンディングは基本的には2つしかなく、グッドエンディングか、そうでなければバッドエンディングです。ルートによってそれぞれ登場人物が多少変わりますが、内容的にはほぼ同一です。グッドとバッドの分岐は、カチュアが生きているか死んでいるかの違いによります。エンディングの内容についてはここでは詳しくは触れませんが、普通のバッドエンディングでは、主人公は最後に暗殺されて終わりになります。ところが、ある条件を満たすと、バッドエンディングでも主人公が暗殺されないことが分かりました。代わりにエピローグの中に「伝説のオウガバトル」の登場人物であるギルバルド・オブライエンが登場するので、これは「ギルバルドエンディング」と呼ばれるようになりました。

ギルバルドエンディングは、バッドエンディングの中でもまれにしか見られないので、その出現条件が話題になりました。多くの議論がなされましたが、おぼろげに分かったことは、仲間のユニットの忠誠度を上げるとギルバルドエンディングを見やすくなる、ということでした。そこで忠誠度とギルバルドエンディングの関係がずっと取りざたされてきました。

ズバリ言うと、これは誤りでした。忠誠度とギルバルドエンディングには何の関係もないのです。このような間違いに陥った原因は、「忠誠度を上げる」方法と、「ギルバルドエンディングの出現条件を高める」方法が偶然(?)同じものだったからです。

仲間を実戦でレベルアップさせると、その仲間の忠誠度が(+3だけ)上がります。しかし同時にギルバルドエンディングを出現させるためのパラメータも(ある確率で)上がるのです。このことがギルバルドエンディングの出現条件が忠誠度にあるのではないかという誤解を生む元となりました。

結論から言うと、ギルバルドエンディングと仲間の忠誠度には、一切関係がありません。ギルバルドエンディングの出現に関わるパラメータは、「民族別カオスフレーム」とでも呼ばれるべきもので、忠誠度とは本質的に無関係なパラメータです。ゲームの中ではこの2つのパラメータははっきり区別して扱われていて、それぞれしかるべき選択肢を選んだときのみ独立に上下します。


ギルバルドエンディングの出現条件

  1. カチュアが死亡していること。

    普通のバッドエンディングと同様、バーニシア城での説得に失敗して自殺された場合でも、あるいはその後の戦闘で死亡した場合でも、どちらでもよく、最終ボスを倒した時点でカチュアがユニオンにいないことが条件です。

  2. ウォルスタ、ガルガスタン、バクラムの各民族の「民族別カオスフレーム」がいずれも(すべて)30 以上あること(SFC 版及び PS 版で確認済み)。

    この下で詳しく述べますが、各民族には「民族別カオスフレーム」というものがあって、そのうちウォルスタ、ガルガスタン、バクラムの3民族のカオスフレームがどれも 30 以上あることが第2の条件です。(注意:民族別カオスフレームをゲーム画面で数値として見ることはできません。)

私の調べた限り、これ以外の条件はまったくありません。仲間の忠誠度が全員最低レベルでも、上の2つの条件を満たせばかならずギルバルドエンディングになります。

以下は、PS 版での確認事項ですので、他の機種では違う可能性もあります。また、全ての場合を調べたわけではありません。ご了承下さい。


民族別カオスフレームとは

「タクティクス オウガ」の前作「伝説のオウガバトル」には“カオスフレーム”というパラメータがあり、画面右上の棒グラフで表されていました。カオスフレームは民衆からの支持の度合いを表すもので、このパラメータの高低がエンディングの選択に大きく関わっていました。

タクティクス オウガにもこのカオスフレームが存在します。しかも各民族ごとに用意されています。カオスフレームのある民族は、ウォルスタ、ガルガスタン、バクラム、ゼノビア、ローディスの5民族です。なぜローディス人にまでカオスフレームがあるのかは分かりませんが、ちゃんとそれなりの変動をします。人間でない亜人間族(フェアリーとかリザードマンとか)や、Lサイズのドラゴン族などにはカオスフレームがありません。この民族別カオスフレームは前作と違って隠しパラメータになっており、これについてはどの攻略本にも載っておらず、ゲームの説明書にもHELPにもまったく触れられていないので、これまでその存在が知られていませんでした。

民族別カオスフレームは、各民族に1個ずつ設定されているもので、ユニットごとに設定されているユニットの忠誠度とは全く別のものです。ただし、ただ二点、この2つのパラメータの接点があります。それは、一つは「ショップで雇う新兵(ソルジャーまたはアマゾネス)の忠誠度は、その民族のカオスフレームを元に決められる」という点です。もう一つは、「敵を攻撃した時、その(攻撃された)民族のカオスフレームの高低によって、攻撃した者(味方)の忠誠度の上昇・下降に違いが出る」という点です。いずれも別のページ(“忠誠度”調査結果)で説明しています。

それ以外の点では、忠誠度とカオスフレームに関係はありません。ゲームの中でも明らかに区別して扱われています。


民族別カオスフレームの上下する条件

民族別カオスフレームは、このゲームの中でも最も分かりにくいパラメータです。その値を知ろうにも、ショップで雇った新兵の忠誠度を通して推し量るしかないからです。忠誠度そのものが直接見られないパラメータなので、二重に分かりにくくなっています。(注:新兵の忠誠度は、雇う前にチェックして、雇用をキャンセルすれば、雇わなくてもチェックできます。)

初期値

ゲームの開始時点では,5民族ともカオスフレームは 50 あります。

カオスフレームが決まった変化をする場所(場合)

プレーヤーの行動(選択肢)によって、各民族のカオスフレームが決まった変化をする場所(場合)がいくつかあります。一番目立つのは、ルートの選択です。

ルートによるカオスフレームの変化

タクティクス オウガでは、どのルートでも全4章のストーリーを追いますが、1章→2章の移行と3章→4章の移行の時に、カオスフレームが決まった値だけ変化し、しかもルートによって違います。2章→3章の移行の時は(Cルートなどはルート選択があるにもかかわらず)、どのルートでもどの民族のカオスフレームにも変化は出ません。これらの変化を表にすると、

ルート ウォルスタ ガルガスタン バクラム ゼノビア ローディス
1章→2章 Lルート −20 −10 −10 −10 −10
Cルート +15 −10 −10 +10 +10
3章→4章 Lルート +5 +5 −20 0 −20
Nルート 0 0 −10 0 −10
Cルート +10 +10 −15 0 −15

となります。明らかにLルートが一番損です。ウォルスタ人はバルマムッサの虐殺をちゃんと見ているというわけです。ただし、ここでの変化は、ゲームバランスを保つための調整的な意味合いが濃いと思われます。バクラム人のカオスフレームが必ず下がるのも、バクラム人はイベントキャラなど仲間にする機会が多く、カオスフレームが突出しがちなので、それを抑えるためと考えられます。カオスフレームがあまりに上がりすぎると、その民族を攻撃した味方の忠誠度が下がるなど、悪影響もあるからです。

その他の選択肢によるカオスフレームの変化

ストーリーの中では、プレーヤーに選択が迫られる場面が何度も出てきます。これらの選択肢のうち、一部は仲間のユニットの忠誠度に影響します(「“忠誠度”調査結果」を参照)。その他の選択肢は、仲間の忠誠度ではなく、民族別カオスフレームに影響します。

例えば、ゲームの最初でプレーヤーが遭遇する選択肢(聖ランスロットとの会話)では、ゼノビア人のカオスフレームが影響を受けます。

最初の選択肢 二番目の選択肢 ゼノビア人の
カオスフレーム
どうか僕らをお許しください。 (選択肢なし) +5
姉さん、油断しちゃいけない。 あなたを信じましょう。 0
……。 −5

同様なものは、1章・古都ライムでのシスティーナ救出場面でも現れます。ここでは最初の選択肢は仲間の忠誠度に影響し、2番目の選択肢がウォルスタ人とバクラム人のカオスフレームに影響します。

最初の選択肢 二番目の選択肢 ウォルスタ人の
カオスフレーム
バクラム人の
カオスフレーム
いずれにせよ放ってはおけない。 ウォルスタの未来のため。 +5 −5
真の平和のため。 +5 +5
助けたいのはやまやまだけど…。 (選択肢なし) 0 −10

影響の大きい例としては、Lルート3章のブリガンテス城でのガルガスタン人の老人との会話があります。ジュヌーンを仲間にするかどうかの所です。

選択肢 ガルガスタン人の
カオスフレーム
もちろんそうです。 −15
そんなことはありません。 +15

同様に、Cルート2章で海賊に捕らわれたシスティーナを救出するかどうかでは、バクラム人のカオスフレームに大きな変化が出ます。

選択肢 バクラム人の
カオスフレーム
システィーナを救出する +18(引き受けて+10、完了して+8)
システィーナの救出を断る −10

なお、その後のボード砦での選択肢(救出した場合3人を、しなかった場合フォルカスを、仲間にするかどうか)では、カオスフレームに変化はありません。

会話の選択肢としては出てきませんが、4章初めのブリガンテス城の解放方法も影響の大きい部類です。デニムの武器・魔法をすべて外して南側から一人だけで入れば戦闘を避けられますが、そうしなかった場合は戦闘になります。

ウォルスタ人の
カオスフレーム
ガルガスタン人の
カオスフレーム
バクラム人の
カオスフレーム
無血開城 0 0 0
武力制圧 −5 −5 −5

あまりカオスフレームに関係なさそうな選択肢でも、影響していたりします。例えば1章・フィダック城での選択肢は、仲間の忠誠度に影響するのではなく、ウォルスタ人のカオスフレームに影響します。

選択肢 ウォルスタ人の
カオスフレーム
姉さん、今はよそう。 0
敵と手を組めるはずがない…。 −5

例外的に、選択肢もないのにカオスフレームが決まった変化をする場所もあります。例えばNルート3章のボード砦でのセリエ救出イベントをこなすと、ウォルスタ人のカオスフレームが−5、ローディス人のカオスフレームが−30と変化します(ローディス人のカオスフレームはエンディングに影響しませんが…)。


カオスフレームを任意に上げ下げする方法

ギルバルドエンディングを見るには、意図的にカオスフレームを高くするようにしなければ、まず無理でしょう。カオスフレームは戦闘を利用して操作できます。

カオスフレームを上げる方法

カオスフレームを任意に上げる方法は、一つしか分かっていません。それは、カオスフレームを上げたい民族に属する仲間ユニットを、実戦(シナリオバトルでもランダムエンカウントでも良い)に出して、戦場でレベルアップさせることです。

実戦でレベルがアップすると、1/2 〜 1/5 程度の確率で、そのユニットの属する民族のカオスフレームが+1だけ上昇します。「実戦でレベルアップ」という条件は、そのユニットの忠誠度を上げる条件と同じですが、忠誠度の上昇とカオスフレームの上昇はまったく無関係です。つまり、そのユニットの忠誠度が既に 100 になっていて、忠誠度がまったく上昇しなくても、レベルがアップする限り、その民族のカオスフレームが(上記の確率で)上昇します。

ただし、ユニットのレベルが既に 50 に達していると、Exp が 100 に達して「LEVEL UP」の表示が出ても、民族別カオスフレームは上昇しません。

カオスフレームを下げる方法

民族別カオスフレームを下げるのは簡単で、ただ単にその民族に属する敵ユニットを殺していくだけです。攻撃しただけでは下がりません。殺すことが必要です。誰が殺しても下がる確率に差はないようですが、デニムが殺したときだけは確率が上がるようです。デニム以外の者が殺したときは 1/3 程度、デニムが殺したときは 1/2 程度の確率で、殺された者が属する民族のカオスフレームが−1ずつ下がっていきます。

以上のように、戦闘を利用して各民族のカオスフレームを操作できます。普通にゲームを進めていると、民族別カオスフレームはどんどん下がっていくのが分かりますが、これは人を殺しすぎているということです。回復措置を講じないとギルバルドエンディングを見るのは難しいでしょう。ただし、あまりに民族別カオスフレームを高くしすぎるのも考え物です。なぜなら、カオスフレームの高い民族の敵を攻撃すると、攻撃した味方の忠誠度が大きく下がるからです(「“忠誠度”調査結果」を参照)。何事もほどほどが肝心です。


効率よくギルバルドエンディングを見るには

つまり、効率よくカオスフレームを高くすることがポイントです。

  1. なるべく人を殺さない

    ここでいう「人」はウォルスタ、ガルガスタン、バクラムの3民族だけです。これらの民族に属する敵は、たとえ雑魚キャラでもできるだけ殺さないようにします。マップのクリア条件が「敵を殲滅せよ」の場合は仕方がありませんが(全員説得するという手もありますが)、「敵リーダーを倒せ」の場合はリーダーだけを倒すように心がけます。4章・ブリガンテス城も無血開城できるならそうした方がいいでしょう(戦闘も「殲滅」ですし)。上記の3民族以外のユニットはどんなに殺しても構いません。亜人間やLサイズユニット、暗黒騎士団員や民族名「不明」の敵などはいくら殺しても結構です。

  2. カオスフレームの低い民族には回復措置を講じる

    できるだけリーダーだけを倒すように心がけていても、戦闘の多いガルガスタン人などのカオスフレームは相当な勢いで下がっていきます。また、仲間の忠誠度を上げようとしてランダムエンカウントを繰り返すと、殺された民族のカオスフレームは急降下します。空中庭園を攻略する前に、ショップで各民族のカオスフレームを確認し、30を切っていると思われる民族には回復措置を施しましょう。カオスフレームが0にまで下がりきっていても、比較的簡単に回復できます。

    1. カオスフレームを上げたい民族の新兵を雇う
      ショップでその民族のソルジャーまたはアマゾネスを雇います。雇ったら、盾を装備させましょう。
    2. 3民族の出ないところでランダムエンカウントを起こす
      ドラゴンやリザードマンなど、人間以外の敵が出るところでランダムエンカウントを起こします。出てきた敵はすぐに石化しましょう。
    3. ユニットをレベルアップさせる
      あとはひたすら盾で殴らせてレベルアップさせます。パラダイムやフェアリーのディープキッスを使って何度も殴らせれば、短時間に相当レベルアップできます。あるいは、ペトロクラウドで残りの味方全員を石化しておけば、連続行動させられます。目的のユニットには、リバイブストーンや浄化の杖をあらかじめ持たせておきます。
    4. 邪魔なら除名する
      ある程度レベルアップして敵とのレベル差が減ってくると、レベルアップしにくくなります。一旦戦闘を終わらせ、このユニットは除名しましょう。除名しても民族別カオスフレームに悪影響は一切出ません。またレベル1の新兵を雇ってやり直しましょう。5〜6人もやれば驚くほどカオスフレームが上がっていることが分かるでしょう。

繰り返しますが、ギルバルドエンディングは、ユニットの忠誠度とは全く関係ありません。仲間の忠誠度がどんなに高くても、3民族のうちどれか一つでもカオスフレームが29以下だとギルバルドエンディングは見られません。この点十分注意してください。


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