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ゲームの改造とは?

ゲーム改造とは、端的に言えば、「コンピューターゲームでインチキをすること」です。

他の人との対戦ゲームでインチキをすれば、アンフェアなプレーヤーとして袋叩きにあうでしょう。しかしコンピューターゲームは独り遊びです。独り遊びでインチキをしようが何をしようが、自分は承知の上です。誰にも迷惑はかかりません。「独り遊びでインチキをして何が面白いのか?」と言われるかもしれませんが、時間の節約にはなります。それに、通常ではできない操作や設定を楽しむ、というのも独り遊びならではのものです。ただしゲームを手に入れた最初からインチキをしてみるとちっとも面白くありません。普通の遊び方を堪能してからにするべきです。

もう一つのゲーム改造の楽しみは、これが醍醐味とも言えるのですが、ゲームの中に埋もれている、あるいは隠されているデータを見つけることです。ゲームの中には、用意されたものの結局使われなかったデータなどがそのまま入っていることがあります。あるいは、普通にプレーしていると決して見られないようになっているデータが重要な役割をしていることがあります。こういうデータは、改造をしないと決して見ることはできません。そして、こういうデータを見つけたときの喜びは、ゲームをクリアしたときと同等以上のものがあります。なにしろ、それを知っているのは、世界の中でも、ゲーム制作者とあなただけなのですから。

ここで説明するのは、家庭用ゲーム機のゲームの改造方法です。私が知っているのはソニー・プレイステーション用のものですが、他のゲーム機でも同様の方法を使います。

改造のしくみ

家庭用ゲーム機は、あなたの使っているパソコンと同様、立派なコンピュータです。計算をする CPU と、情報を一時的に蓄えるメインメモリ、それらを動かす OS が入っています。ゲームソフトは CD-ROM やカートリッジ(マスク ROM)で供給され、あなたがセーブしたデータはメモリーカード(フラッシュメモリ)やカートリッジ内の PRAM に書き込まれて保存されます。

あなたがゲームをしているとき、ゲームの進行に必要なデータは、その都度 CD-ROM やマスク ROM から読み込まれ、ゲーム機内のメインメモリに書き込まれて使用されます。メインメモリはあなたのパソコンのメモリと同様、DRAM という書き換えの容易なメモリを使用しています。

ゲーム改造とは、このメインメモリの内容を横から強制的に書き換えることです。家庭用ゲーム機に専用のアダプタを取り付けることで、これが実現できます。この改造アダプタは、ゲーム機の CPU の動作に割り込んで、メモリの好きな場所に好きなデータを書き込むことができます。

例えばあなたがあるゲームをしていて、キャラクターの強さが20になったとしましょう。この「20」という数値は、メインメモリの特定の場所(例えば123番地)に書き込まれています。あなたがゲームを続けてキャラクターの強さが40にまで増えたとしましょう。この「40」という数値もやはり123番地に書き込まれます。

ここで改造アダプタの登場です。改造アダプタを使ってメモリの123番地の内容を「99」に書き換えてみましょう。するとあら不思議、キャラクターの強さが突然99になってしまいました。もう改造アダプタの必要はありません。思う存分99の強さを堪能できます。このデータをセーブしたければ普通にセーブするだけで、ちゃんと最強のキャラクターがセーブできます。このデータは改造アダプタのないゲーム機でロードしてもちゃんと使えます。普通に作ったデータとの違いはまったくありません。

これがゲーム改造の原理です。実に単純ですが、簡単でもないことが分かります。キャラクターの強さを示すデータが123番地に書き込まれる、ということがあらかじめ分かっていないと、改造のしようがないのです。どの番地にどんなデータが書き込まれるかはゲームによってまったく違うので、やみくもにデータを書き換えてみても、データが壊れたり、ゲーム機が(あなたのパソコンがしょっちゅうやっているように)フリーズしたりするだけです。

どの番地にどんなデータが書き込まれるかは、ゲームメーカーが教えてくれるわけもありません。自分で調べるか、誰かが調べてくれたのを教えてもらうしかありません。ゲーム機に取り付けた改造アダプタと、パソコンをケーブルでつなぎ、専用ソフトをパソコンにインストールすると、パソコンの画面にゲーム機のメモリの内容を直接表示することができるようになります。そして、ゲーム機でゲームしながらキャラクターの強さを変化させていき、メモリの中でキャラクターの強さの変化と同じ変化を示す番地を調べていくと、キャラクターの強さの書き込まれている番地が分かってきます。こういう地道な方法で、ゲームの中の様々なパラメータの書き込まれる番地を執念深く調べた人は世の中にたくさんいます。

改造コードとは

特定のゲームについて、どのアドレスをどう書き換えればどのパラメータをどう変えられるかという情報は、「改造コード」と呼ばれ、その手の雑誌に発表されたり、単行本として発行されたり、インターネットで公開されたりしています。

念のため認識して頂きたいのは、改造コードはゲームソフトの制作者の著作権を侵してはいないということです。改造コードはただ単に「ゲーム機のメモリのこの番地にこの数値を書き込め」と言っているだけで、ゲームソフトの内容を転載・翻訳・要約したものではないからです。この点で、いわゆるエミュレーター用のゲームROMとは根本的に違います。エミュレーターとは、パソコンで家庭用ゲーム機の動作を模倣させるソフトウェアで、それ自体にも違法性があります(ゲーム機内部の OS や ROM データをそのまま使用していることがあるからです。ゲーム機の公開仕様のみを元に独自に互換機を作るのは至難です)。まして、そこで動作させるためのゲームソフト(ゲーム ROM)は、元の家庭用ゲームのプログラムをそっくりコピーしたものです。インターネットで、あるいは友人から「エミュレーター用の ROM いらないか」などと言われても、決して手を出してはいけません。

さて、改造コードの方に戻りますが、改造コードはインターネットでもたくさん公開されているので、有名なゲームなら大抵の情報は手に入ります。goo や infoseek などのロボット型サーチエンジンで「改造コード」とか「ゲーム改造」などをキーワードにして検索すれば、その手のページが大量にヒットするので、あとはリンクをたどっていけば、望みの情報も手にはいるかも知れません。ただしマイナーなゲームになると情報はどうしても限られてくるので、結局自分で調査(サーチ)するほかなくなるでしょう。誰も調べていないコードを探すのは、それなりに楽しいものです。

改造アダプタの入手法

改造アダプタは、大手のゲーム販売店なら大抵のところで扱っています。ソニー・プレイステーション用のものとしては、

発売元:株式会社カラット
http://karat-jp.com/
製造元:英国 DATEL 社
http://www.datel.co.uk/
海外での商品名:PlayStation Pro Action Replay
発売元:株式会社ゲームテック
http://www.gametech.co.jp/
製造元:英国 Future Console Design 社
http://www.x-plorer.co.uk/
海外での商品名:XPlorer

の2つがあります。価格は4千〜7千円程度です。既に改造コードが分かっていて、そのとおりに改造してゲームを楽しむだけなら、これ以外のものは要りません。

改造コードを自分でサーチするには、上記の改造アダプタの他に、パソコンと接続するケーブルと専用ソフト、それに DOS/V パソコンが必要です。

PS-PAR 用の接続キットは、(株)カラットが販売している「PRO コムズリンク」で、専用ソフトと接続ケーブル、ISA バス用のボード1枚のセットで価格は8千円程度です。※ Ver.3 からは、パソコンのパラレルポートにつなぐのでボード不要になりました。

PS X-T 用の接続キットは、(株)ゲームテックの「PS X-Link」で、専用ソフトと接続ケーブルのセット(パソコンのパラレルポートにつなぐのでボードは無し)で、価格は4千円程度です。

いずれのキットも専用ソフトのバージョンが非常に重要で、常に最新版を使うべきです。改造アダプタ内部のプログラムの方がバージョンが高いと、正しくパソコンとリンクできないことがあります。専用ソフトの最新版は、製造元(発売元ではない)のホームページからダウンロードできます(もちろん英語)。改造アダプタ内部のプログラムのアップデートもパソコンからできます。

なお、ソニー・プレイステーションは 1999 年夏以降の製品(型番 SCPH-9000)では本体後部の拡張ポートが廃止されたため、従来の改造アダプタは使用できません。(株)カラットからは、改造コードを入力できる CD-ROM 「プロアクションリプレイCDX」が販売されていますが、改造コードのサーチはできません。


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Exhalatio: ogre@ogre.org