ＰＳ版の「伝説のオウガバトル」には、キャラクターの攻撃に対する耐性値に深刻なバグがあります。
「伝説のオウガバトル」の各クラスには、攻撃に対する「耐性値」が設定されていて、物理・火炎・冷気・電撃・暗黒・神聖の各攻撃に対し、受けるはずのダメージ（STRやINTから計算したもの）から、この耐性値の％分が差し引かれることになっています。
例えばファイターの場合、上記の６種類の攻撃に対する耐性値は、
となっており、この分のパーセンテージが差し引かれた値が実際のダメージになるとされています。
リッチの場合は、これらの耐性値が
と増加し、電撃と神聖系の攻撃以外は無敵（ダメージをほとんど受けない）になるはずなのですが、私の調べたところ、ＰＳ版ではなんと、どんなクラスにクラスチェンジしてもこの値がまったく変化しません。
LV や ALI や CHA が上がってクラスチェンジしても、死者の杖や死者の指輪を使ってチェンジしても、最初ファイターだった者はずっと耐性値はファイターのままです。リッチになっても物理攻撃や暗黒攻撃で簡単にダメージを受けてしまいます。最初ヴァルキリーだった者はずっとヴァルキリーの耐性値のままです。
キャラクターがレベルアップすれば STR や INT は上がっていくので、防御力はそれなりに上がりますが、ファイターのそれとまったく代わり映えしないのです。
ＰＳ版には、元のＳＦＣ版にはなかった「アイテムをはずす」コマンドが装備されていますが、これがなんと、『アイテムを外しても耐性値が元に戻らない』バグを持っています。
つまり、防御効果のあるアイテム（エルダーサインなど）を「アイテムをそうび」コマンドで装備し、すぐに「アイテムをはずす」コマンドで外すと、アイテムを装備していないのに、耐性値は増えたままなのです。これを何度も繰り返すと、どんどん効果が蓄積されていき、耐性値は 100 はおろか 255 まで行ってしまいます。
耐性値が 100 を越えると、ダメージをほとんど受けなくなり、耐性値が 250 程度になれば、どんな敵の攻撃を受けてもダメージは１しか受けません。まさに無敵状態です。どんなクラスでもこうなります。
ただしちょっとした注意点は、効果が 255 を越えると、一気に 0 に戻るという点です。つまり例えば 255 + 16 はただの 15 になってしまいます。もちろんさらに繰り返せばまた増えていきます。耐性値の数値はゲーム画面では見えないので、繰り返した回数を記録して、255 を越えないようにしましょう。また、効果が下がるほうも累積されますので注意して下さい。これも、0 を下回ると一気に 255 になってしまいますので、防御効果が下がるアイテムを使って耐性値を一気に高めることもできます。
耐性値は、255 に近いほど効果が大きいので、最大の効果を得たければ、付け外しの回数をきちんとカウントして、できるだけ 255 に近づけるようにしましょう（255 を越えないように注意！）。その意味では、複数の防御効果を持つアイテムより、単一の防御効果を持つアイテムの方が扱いやすいでしょう。
たとえば、ファイターの対「物理」耐性は 44 なので、「はおうのかんむり」（対物理 +17）を 12 回付け外しすると、44＋17×12＝248 となります。これだけでも十分ですが、さらに「メイルオブネイル」（対物理 +7）を１回付け外しすると、見事 255 になります。
ちなみに、効果が残ってしまうのは耐性値（防御効果）だけで、ＳＴＲのなどのパラメータは装備を外せばちゃんと元に戻ります。また、「アイテムをはずす」コマンドではなく、「アイテムをそうび」コマンドで他のアイテムと入れ替えた場合は、耐性値の増減はきちんと計算されます。
また、「アイテムをはずす」コマンドは２種類あり、「編成画面」コマンドの中の「アイテム」コマンドの中の「アイテムをはずす」がバグを持っています。地域マップでは「へんせいがめん」コマンドと並んで（同列に）「アイテム」コマンドがありますが、その中の「アイテムをはずす」コマンドはバグがなく、ちゃんと耐性値が元に戻るので、バグ技には使えません。「へんせいがめん」の「アイテム」の「アイテムをはずす」は、やはりバグを持っています。
なお、このバグは、SLPS 00481 「伝説のオウガバトル」初版（1996）と、SLPS 91083 「伝説のオウガバトル」ベスト版（1998）の両方で確認されています。
※（例外）ヴァンパイア・ウェアウルフ・ウェアタイガーの「昼夜で自動チェンジするクラス」では、姿が変わるたびに耐性値は所定の値（＋アイテムの値）にリセットされてしまいます。（しまじん 様、情報ありがとうございます）